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Q37 檀那寺と菩提寺の違いは?

「檀那寺」と「菩提寺」とはどう違うのですか。(62歳男性)

A 「檀那寺」も「菩提寺」も同じ意味で使われることがあります。つまり「一家が帰依して葬式や追善供養を頼む寺」という意味です。

 しかし厳密に言うならば「檀那寺」とは「自家の帰依する寺」具体的には「檀家となって所属している寺」という意味です。
「檀那」とは「旦那」とも書き、寺院にとっては、寺院が仏の教えを説いてする法施(ほっせ)に対して財をもって布施する信者のことを言います。つまり、檀家となって寺のいろいろな活動を支えている人のことで、そうした関係にある寺を「檀那(旦那)寺」と言います。

 それに対して「菩提寺」は「死後の冥福を祈り、供養することを頼む寺」ということになりますから、悪い言葉で言えば「葬式寺」、葬式や法事を頼む寺という意味合いがあります。また厳密に言うならば、その寺の墓地に墓がある場合に「菩提寺」と言います。

 何もお寺との関係は葬式や法事だけではありませんし、自分の家の墓が市営墓地などにあることもありますから、檀家としての務めを果たしているならば「檀那寺」という表現のほうが適切に思います。但し、檀家である以上は寺を経済的のみならず、いろいろな面で支える義務があることを理解しておきましょう。

Q38 会館の係に寸志は必要か?

葬式を出す場合には近所の葬儀会館にお願いしようと思っています。その場合、係の人に寸志を包む必要があるでしょうか。また、必要がある場合、その相場はいくらくらいでしょうか。(40歳女性)

A 葬儀社が経営する斎場(葬儀会館)で葬儀をなさる場合には寸志やチップは必要ありません。
 葬儀料金の中には人的サービスの料金が含まれていますので、一切その心配はありません。また、寸志を包まなかったからといってサービスが悪いなどということもありません。

Q39 散骨樹木葬とは?

最近「散骨樹木葬」という言葉を聞きました。どういうものですか。(52歳男性)

A そもそも「散骨樹木葬」というのは矛盾した言葉です。
「散骨」はスキャタリング(原義は「撒く」)という葬法の日本語訳です。確かに万葉の時代にも散骨はあったようですが、欧米で行われている、火葬した骨を細かく砕いて撒く葬法のことです。
 日本では90年代の初めに「葬送の自由をすすめる会」(事務局・東京都文京区、安田睦彦会長)が自然環境を守る葬法ということで「自然葬」と名づけて行い、広まりました。
 日本では「墓地以外の場所で遺骨を細かく砕いて撒く葬法」として使われています。
 法的には「葬送を目的として行い、国民感情に配慮して、相当の節度をもって行うならば違法ではない」という解釈が有力で、いまや社会的な認知を得たと言ってもいいでしょう。

 これに対して「樹木葬」とは90年代の末に岩手県で始まりました。こちらは山林を墓地としての許可を受けたうえで、遺骨を直接土中に埋め、上に花木を植えるというものです。
 かたや「散骨」は「墓地以外の区域」で行い、「樹木葬」は「墓地区域」で行うものですから、「散骨樹木葬」という言葉がいかにおかしいか、ご理解いただけるかと思います。
 散骨は墓地以外の区域に撒くのですから、散骨するための船の使用料等は必要ですが、墓地使用料は発生しません。
 また、樹木葬は墓地ですから墓地使用料や管理料が必要です。
「散骨樹木葬」なるものは墓地以外の区域の一定の場所に撒き(「散骨だから墓地の許可は不要」との理屈を付けて)、花木を植えるのだからといって使用料まで取っています。
 いくら葬送が自由とは言っても、このようなものは社会的に許される限度を超えています。やはり「相当の節度」が必要に思われます。

 なお最近「桜葬」というのが現れました。これは樹木葬の一種で、墓地の区域内で桜の木の下に場所を定めて遺骨を共同で埋蔵する形式です。
 市民団体のエンディングセンターが提唱し、東京都町田市の霊園で始まりましたが山口、千葉と広がる予定です。
 葬送形態は今後多様になっていくと思われますが、節度が要求されることは言うまでもありません。

Q40 お寺を替えたいが

今のお寺の住職が気に入りません。何かというと寄付を求めてきます。このお寺にあるお墓を替えたいのですが、どうしたらいいでしょうか?(54歳男性)

A お寺の墓には両親や祖父母が埋蔵されている。自分もこの墓に死後は入るつもりだったが、住職が気に入らないので、いっそうのこと寺も墓も替えたい。こうした質問はしばしば寄せられます。

 檀家制度は今の憲法の「信教の自由」と矛盾するところがあります。檀家制度は個人の信条に無関係に家の宗教となっていますし、憲法は個人の信条の自由を謳っています。
 当然、個人の信条が優先されるので、檀家であることをやめる自由はあるわけです。しかし、そうして替えるとお墓が問題になります。お寺のお墓は檀家用に貸し出されているものですから、檀家であることをやめるとお墓を移さないといけないという事態が発生します。
 檀家をやめた場合に、お墓は必ず改葬しなければいけないか、というと異論もあります。死者の安寧や供養の権利があり、使用者の同意なしに、寺が強制的に改葬を行うことは難しいからです。
 檀家はやめるが墓はそのままにする場合、使用者は最低限守るべきことがあります。それは年間管理料に相当する金額を寺に納付し、寺が合同供養などをその宗派の方法で行うことを妨げないことです。

 檀家をやめるということは、2つ意味があります。一つは寺の宗旨から自分の宗旨を自由にすることであり、二つめは寺を支える義務から解放されることです。
 しかし、寺と檀家である関係は契約書のような形であるわけではないので、すっぱりといかないのが現状です。檀家をやめるが墓は引き続き使用したいというのは、法理論的には可能であっても、ギクシャクとしたものになりがちです。

 そこで檀家をやめると同時に墓も移してしまうという解決方法が浮かび上がります。
 法律的には「改葬」という手続きになります。
 まず改葬先を決める必要があります。これまでと同じ宗派のお寺にするか、あるいは別の宗派のお寺にするか、宗旨の自由な公営墓地や民営墓地にするか。これはあなたの信ずるところによる選択になります。
 改葬先がお寺の墓地である場合には、お寺を選び、その住職ともよく話し合って、ここであるならば託せると思われるところを選びましょう。
 また、家族ともよく話し合っておくことです。あなただけではなく、家族のお墓でもあるからです。
 また、お墓のありようも考えておきましょう。将来も家族が守っていく形態であるのか、あるいは永代供養墓、樹木葬のような跡継ぎを必要としない形態であるのか。
 改葬先は慎重に選びましょう。考えるべきことは、ほかにもあります。墓石はどうするのか。今まで使用していた墓石を移動するのか、新しい墓石を作るのか。新しく墓石を作るとすれば、和型なのか、最近人気の高い洋型なのか。墓石に彫る文字はどうするか。従来のように「○○家」と彫るのか、それとも家名の存続にこだわらずに「夢」「偲ぶ」などの好きな言葉を刻印するか、信条に従い「南無阿弥陀仏」「南無妙法蓮華経」などと経文を彫るのか。

 改葬先が決まったら、改葬先の墓地の管理者から「受け入れ証明」をもらい、現在の墓地の管理者(お寺の住職)に「埋蔵証明」をしてもらいます。
「埋蔵証明」は一般に自治体に申請する「改葬許可申請書」と一体の用紙になっています。左が改葬許可申請書、右が埋蔵証明書という形です。基本的に遺骨単位でこれを作成する必要があります。  現在のお寺には埋蔵証明をしてもらうわけですから、できるだけ落ち着いた交渉を心がけたいものです。改葬は自由ですから、お寺が埋蔵証明を拒否することはできないのですが、人間対人間の関係なので穏便にこしたことはありません。
「改葬許可申請書」は現在の墓のある地の自治体に提出し、得た「改葬許可証」は改葬先の墓地管理者に提出します。
 書類だけでは済みません。現在のお寺の墓を原状復帰する必要があります。墓石を撤去し、更地に戻します。墓石業者に依頼しますが、一般に1平方メートルあたり10万円が目安です。

 費用も手続きも大変です。始める前に今のお寺の住職とよく話し合ってみて、替えたほうがいいか、よく考えてみることも大切です。



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