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Q33 いい葬儀社の選び方は?

父が病床にあり、医師に「覚悟をしておくように」と言われました。88歳ですので、年齢には不足はありません。引っ越してきたばかりで近所に知り合いの葬儀社がありません。どういう点に気をつけて選べばいいでしょうか?(58歳女性)

A まず葬儀社がどこにあるかですが、『タウンページ』(電話帳)の「葬祭業」の項目を開きます。そこでご近所にある葬儀社を調べることができます。エリアは車で30分程度の範囲内を目安にするといいでしょう。この際、広告の大きさは無視しましょう。

 いくつか選び、まず電話をしてみましょう。「父が危ないので、葬儀の相談にのっていただけますか」と尋ねます。それに対して「亡くなったら電話ください」と応えるようであったり、不親切な対応のところであれば、リストから除外します。  電話の応答で、こちらの身になってやってくれそうなところであれば実際に店を訪ね、相談しましょう。そのとき訪問する日時を予約します。

 訪問したら、事情を話して、葬儀の希望があればそれも話します。予算の目安も伝えます。  このとき相手がこちらの話をきちんと聞いてくれるかが最も重要なポイントです。こちらの話もろくに聞かないで、どんどん話を先に進めるようでしたら、その葬儀社に依頼することはやめたほうがいいでしょう。
 相手の説明の仕方も選ぶ重要なポイントになります。わかりやすく、丁寧に説明してくれるかが重要です。また、こちらの希望をきちんと受け止めてくれるかも大切です。

 斎場(葬儀会館)での葬儀を希望するならば、その位置、写真、見取り図、料金の確認も忘れずにしましょう。  生活者の身になれば、きちんとした知識と技量をもった専門家に頼みたいものです。そのためには葬祭ディレクターの資格をもった人が担当してくれるかを確認する必要があります。「葬祭ディレクター」とは厚生労働省認定葬祭ディレクター技能審査の試験を受けて合格した人を言います。資格をもっている人は葬祭ディレクター技能審査協会発行の写真付きのIDカードをもっています。  最後に見積書を発行してもらいます。会葬者数の目安を80人とか具体的な仮の数字を出し、かかる費用の全てを出してもらいます。飲食に関わる費用も出してもらいます。霊柩車、火葬場にかかる費用も忘れないで。  宗教者へは葬儀社経由でなく直接お礼するものですから、それはこの見積書には含まれません。しかしお礼の金額の目安がわからないときには相談にのってくれるはずです。

 以上の手順を踏んで、安心できるなと思うことができれば、そこに依頼します。  選ぶのに手間がかかると感じるかもしれませんが、葬儀の規模が大きい小さいにかかわらず、お父様をご家族が心をこめて送るためには、いい葬儀社を選ぶことが大切なことです。

Q34 密葬後の町内会連絡文は?

自治会の役員をしております。先日、長い闘病のすえ亡くなられた方がいらっしゃいます。家族での密葬が執り行われたことの報告を受けました。  町内の方々に、その旨お知らせください、とのことですが、密葬の場合の挨拶文を、どのように書けばよいかわかりません。(65歳男性)

A 近年、近親者だけで葬儀(密葬)を行い、葬儀後にお知らせするケースが少なくありません。次のようなのはいかがでしょうか?

   訃 報
○丁目○○番地の○○○○様が○月○日○○歳にてご逝去されました。
なお、すでにご葬儀は近親者のみで執り行われました。
心からご冥福をお祈り申し上げます。  ○○町内会 
 ご遺族が香典や供花等は受け取らないとの意思であれば、次の文章を但し書きで付け加えます。
ご遺族はご香奠、ご供花、ご供物につきましては固くご辞退されております。

 なお、密葬前でしたら、次のような文になります。
   訃 報
○丁目○○番地の○○○○様が○月○日○○歳にてご逝去されました。
心からご冥福をお祈り申し上げます。
なお、ご遺族は、故人の意思で葬儀を近親者のみにて行い、弔問、ご香奠、ご供花、ご供物につきましては固く辞退されるとのことです。併せてご連絡申し上げます。    ○○町内会 

Q35 家族葬とは?

最近「家族葬」という言葉を聞くようになりました。家族葬はどう行うのがいいのでしょうか?また、家族葬では「香典を持っていかない」と聞いたのですが、ほんとうですか?(42歳女性)

A 「家族葬」というのは90年代に登場したばかりの新しい言葉ですので、その内容が決まっているわけではありません。おおよそのところは次のように定義できるでしょう。
「いろいろな人に葬儀の案内をしないで、身内だけでするお葬式」

■家族葬における「身内」とは?
 では「身内の範囲は?」となると、それがそれぞれの遺族の考え方によって変わっているのが実情です。それは各家庭の事情や考え方があるのですから、変わって当然なのです。
 一般には次の3タイプに分かれます。
(1)遺族のみ
(2)遺族+親戚
(3)遺族+親戚+故人と親しかった人
 (1)の範囲のみですと数人〜10人未満というところ、(2)の範囲では20〜30人程度、(3)であれば30〜80人程度でしょう。実際には(3)のタイプが多いようです。
 (1)や(2)のタイプの家族葬を選択した場合には、後日に友人や関係者を招いて「お別れ(の)会」を開催することがあります。

■「遺族」の範囲は?
 また(1)のタイプを選択した場合には「遺族」の範囲をどう考えるか、という問題があります。
 私は「遺族とは二親等の範囲」と考えるべきだろうと思っています。
 つまり、本人の子ども時代の家族である両親(一親等)、祖父母(二親等)、きょうだい(二親等)と、本人が結婚後につくった家族である配偶者、子ども(一親等)とその配偶者、および孫(二親等)とその配偶者、が二親等の範囲となります。
 父親が亡くなったとき、子どもから見れば叔父さん、叔母さんは「遺族」ではなく「親戚」ではないか、と考えがちですが、叔父(伯父)、叔母(伯母)は子どもから見れば三親等ですが、本人である父親にとってはきょうだいで二親等になりますので「遺族」になります。

■家族葬は香典辞退?
「家族葬」の場合、範囲をどうするかは、それぞれの家庭の考え方によりますが、いずれも「本人と親しかった人」ということになります。ですから葬儀もお別れも参列した皆で行い、参列した人の多くが火葬場まで付き添うということが原則です。
 ですから参列してほしい人にだけ案内し、その他の人には「勝手ながら身内だけで行いますので、ご会葬もお供物もご辞退させていただきます」と告げるのが一般的です。この場合の「お供物」には香典、供花、供物が含まれます。
 但し、葬儀に参列する人の場合は別です。香典、供花、供物は、特別断る理由がなければ、受け取るのが原則です。
「家族葬では香典は不要」というのは、葬儀の案内をされず参列しない人の場合には不要ということで、案内され参列する人は包みます。案内される人は親しい人ですから、むしろ多めに包みます。葬儀後の会食にも出ることを考えると、一人2〜4万円くらいが目安になるでしょう。もちろんそれぞれの経済状態によっても異なりますが。

■家族葬の宗教は?
 また「家族葬は無宗教でする」という俗説があります。それは俗説であって、無宗教でする場合もありますが、一般的には宗教者を招いて葬儀を行います。
 通常の葬儀がどちらかと言えば、本人の宗旨よりも家の宗旨に従って行われる傾向がありますが、家族葬の場合には、あくまで本人の宗旨を最も尊重して行われます。

■家族葬のポイント
 家族葬のポイントは、形式ばるのではなく、優しさ、温かさを大切にすることでしょう。
皆身内なのですから遺族の答礼はなくてもいいでしょう。挨拶がどうのというよりも、遺族の悲しみを大切にすることを優先したいものです。また座る順番もあまり気にしないで「身内だけですので順不同でいきましょう」としてもいいでしょうし、柩を皆で囲むようにして葬儀をするのもいいでしょう。
また最後のお別れ(お別れの儀)は、皆本人と親しかった人なので、一人ひとりがゆっくり故人と対面してお別れできるように、予め充分な時間をとっておきます。

Q36 自由葬とは?

知人のお母様が亡くなり、「自由葬で行います」と連絡がありました。自由葬とはどんな形式なのでしょうか。また、香典をお持ちしようと思うのですが、表書きはどうしたらよいですか?(38歳女性)

A 自由葬」というのは新しい言葉です。はっきりと定義が決まっている言葉ではありませんが、一般に無宗教葬と同じ意味合いで使用されることが多いようです。
つまり葬儀を行う形式として「特定の宗教宗派にとらわれずに自由に行うこと」を意味します。

■増加傾向を示す宗教によらない葬儀
 日本では94%の葬儀が何らかの宗教宗派に基づいて行われており、また9割が仏教による葬儀となっています。ですから、葬儀を行うとなれば仏教で、しかも家が檀家となっているお寺の宗派で行うのが一般的とされています。しかし、いま特定のお寺との付き合いがない人が増えたことによって、宗教によらない葬儀形式を選択する人が都市部を中心に少しずつ増える傾向にあります。
 各宗教宗派は葬儀の形式をもっています。例えばキリスト教であれば讃美歌がうたわれ、聖書が読まれ、お祈りがあり、牧師による説教が行われますし、仏教ではお経が読まれたり、宗祖の教えが読まれたり、場合によっては戒名を授ける、引導を渡すなどの葬式作法が行われます。
 宗教儀式を行わないということですから、形式も祭壇の飾りも自由ということになります。祭壇を飾るかどうかも自由ということになります。

■一般的な自由葬の形式
 一般には正面か柩の周囲を生花で飾り、次のように行われます。
(1)前奏(静かな音楽を流す)
(2)開式
(3)黙祷
(4)思い出(故人の生涯をスライド、ビデオ、ナレーションなどでたどる)
(5)お別れの言葉(弔辞)
(6)献奏(故人の好きだった曲を流す)
(7)献花
(8)遺族代表の挨拶
(9)閉式
(10)後奏(静かな音楽を流す、この後遺体との最後の対面である「お別れの儀」を行い、出棺。骨葬の場合であれば遺骨の退場を皆で見送る)

 場合により(7)と(8)の順番が入れ替わることもあります。
 もちろん「自由葬」というくらいですから、決まった形式はありませんから、どういう形式でやろうとかまいません。
 仏教の葬儀でお経が読まれるのに対し、音楽が使われることが多い(生演奏もあります)ので「音楽葬」と呼ぶこともあります。また、これを「お別れ(の)会」と呼ぶこともあります。呼び方も自由なわけです。
 欠かしてならないのは、全員起立して「黙祷」を行うことです。お葬式は、形態はどうあれ、故人を弔うためにあるのですから、これをきちんと行わないと葬式としては成立しないと思います。
 遺族・参列者が心深く、故人を想い、故人のために祈るときをもつということはとても大切なことです。

■自由葬がもつ問題点
 自由葬を行って、しばしば問題になるのは遺族の気持ちの区切りがつきにくいことです。葬式が単なるお別れの場になり、気持ちの深いところで死の厳粛な事実に立ち向かうことがなく、死者に対する心の区切りが不充分になることがあることです。
 また、葬式を終えた後、死者に対してどう対処したらよいか迷うこともあります。仏教なら仏壇に向かって供養し、四十九日があり、と追悼の形式が定まっていますが、自由葬ではどうしたらよいかわからなくなってしまうことがあります。
 いまは宗教形式から自由な仏壇(記念の道具)もありますし、自由葬だから四十九日をしてはいけないということもありません。形はどうあれ追悼の気持ちを大切にしたいものです。

■表書きは「お花料」が多い
 自由葬、お別れ会などの場合の香典の表書きですが、もっとも多いのが「お花料」でしょう。「故人を弔ってお花をお供えします」という気持ちで出されることが多いからです。
 といってもこれも決まったものではありません。もちよる人の気持ちで自由であっていいのです。「御霊前」でも「御香典」でも間違っているということではありません。



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