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Q29 父の遺骨が納骨を断れたが…

父が他界したのですが、父の弟と父の遺骨を先祖代々の墓に入れる、入れないでトラブルになっています。お墓は田舎にあり、先祖代々の遺骨が納められております。父はいまから30年ほど前に実家を出て、その後は祖母は父の弟と同居してきました。父の弟は今回、父は勝手に実家を出ていったのだから墓は自分で探すのが筋である旨、主張しています。祖母は父が先祖代々の墓に入ることを望んでおり、亡くなった父も同じことを望んでいます。(28歳男性)

A 問題は実家のお墓の使用権をどなたがもっているかです。お祖父様が亡くなった後、お祖母様が使用者となっているのであれば、お祖母様も希望していることであるし、いくら叔父様が反対しようと、お父様の遺骨を実家の墓に納骨することができます。
 長男であるお父様が使用者になっていたならば、これも使用権はあなたなりのご家族が承継することになるはずですから問題はありません。

 問題は叔父様が使用権をもっている場合です。お父様が30年前に実家を出られたときに、実家の面倒を見てもらうために、その墓の使用権を弟である叔父様に譲られているのであれば、実家の墓に誰が入るか入らないかは叔父様が決定権をもつことになります。
 法律的にはお墓の使用権者が決定することになっており、墓地の管理者も使用権者の承諾なしには勝手に納骨を許可することができません。

 法律的には誰が使用権を有しているかですが、これはお祖母様、お父様の弟である叔父様の家族の問題です。お父様も実家を出たとはいえ実家の墓に納骨されることを希望していたことを伝え、お願いするのがいいでしょう。
 もし、叔父様が使用権者で、どうしても承諾していただけないときには、お父様のために別にお墓なり納骨堂を用意する必要があります。しかし、納骨はすぐしなくてもいいのですから、一時預かりをお寺や納骨堂にお願いしておき、しばらく時間を置いてからまた相談することも一つの方法であると思います。

Q30 墓が寺にあるが無宗教葬はできるか?

家のお墓はお寺にあるのですが、母は父の葬式の院号料のことでお寺が嫌いになり、自分の葬式は無宗教でしてくれと言っています。はたしてこのようなことは可能でしょうか。(46歳女性)

A お母様はお寺との間で相当嫌な思いを経験されたのかもしれませんね。お寺にお墓がありながら無宗教葬を希望されるのは相当なお気持ちだろうと思います。
 無宗教葬をするとなると、そのお寺の檀信徒であること、というお寺の墓地の使用条件に抵触して、お母様の遺骨は、お寺にあるお墓には埋骨できないという事態も予測されます。

 お寺の墓地というのは、「寺院境内墓地」と言い、一般に開放されたものではないからです。あくまでその宗教団体の信者、檀信徒の供養のための宗教施設という位置づけをもっており、公営墓地や民営墓地とは違う性格をもつとされているからです。公営墓地や民営墓地は宗旨を問わないのに対し、寺院境内墓地では宗旨が問われる可能性が高いのです。墓地の管理者であるお寺が認めれば別です。しかし、寺院境内墓地に埋骨されるためには、そのお寺で葬式をするか、その寺院から戒名(法名)を授かるかして、檀信徒であることを証することが要求されるケースはよくあることです。したがってお母様の葬式をお寺に依頼せず無宗教葬で行なうとすれば、お寺にあるお墓には埋骨できない可能性が高いと言わざるを得ません。

 しかし、そういう事態を招くということも承知のうえでしたら、お母様のご意思ですから、無宗教葬でお送りするのがいいと思います。葬式の宗旨を決定するのは、まず第一にご本人の意思であるべきだからです。これは基本的な人権に属する問題ですから、いかなることがあっても制限されるべきではありません。
 その場合には公営墓地あるいは民営墓地といった宗旨が問われるこのない墓地を求める必要が生じます。その際にお寺のお墓を撤去しようとするならば、改葬になり、お寺のお墓は返還する際には墓石等を撤去して更地にする必要があります。

Q31 葬儀と告別式の違いは?

お葬式の看板を見ると「葬儀会場」と書いているのと「告別式会場」と書いているのがあります。「葬儀」と「告別式」とは同じなのですか、それとも違うものなのですか?(41歳女性)

 お葬式の道案内に「葬儀会場」「告別式会場」とあるのは同じ意味です。しかし「葬儀」と「告別式」とは厳密には同じ意味ではありません。
 一般にお葬式で人々の会葬を受ける場は「葬儀・告別式」です。これは本来は「葬儀(式)」と「告別式」とが別個に行われていたのが一緒に行われるようになったためにできた言葉です。「葬儀ならびに告別式」というのが丁寧な表現になります。これを会場案内等に書くときには、「葬儀・告別式」と併記しないで「葬儀」または「告別式」のいずれかを用いるのが慣用となっています。

「葬儀(式)」とは本来は死者をあの世へ送るための儀式です。ですからしばしば宗教儀礼によって執り行われます。
これに対し「告別式」とは参列あるいは会葬した人たちが、焼香や献花をもって死者に対してお別れをする儀式のことです。
本来は葬儀(式)を行った後に告別式を行いました。いまでも社葬等の場合には葬儀(式)と告別式とを分けて行います。
社葬等の場合は、葬儀(式)は13時から14時まで、告別式は14時からというときには、葬儀(式)に参列していただく方には葬儀の開始時刻を連絡しますが、死亡広告等の一般の方への案内では告別式の開始時刻である14時のみを案内します。
一般の葬式では葬儀(式)と告別式とを分離しないで行うケースが多いので「葬儀ならびに告別式」となります。

なお、近年は通夜に会葬される方が多くなっています。本来は通夜は近親者が死者と最後のお別れをする場ですから、特別に死者と親しかった人以外は弔問しないものでした。いまでも地方では通夜は近親者だけで営むところがあります。
しかし、昼間は仕事があるので夜行われる通夜にしか弔問できないということで通夜に弔問する人が多くなったようです。
特に死者と親しかった人は通夜にも、翌日の葬儀・告別式にも両方出ます。それほど親しいわけではないがお別れしたい人は、昼間都合がつくならば告別式のほうへ出るというのが本来です。
しかし、近年は死亡告知において「通夜 11月10日 18時から、告別式 11月11日 11時から」と案内されることが多いようです。この場合にはいずれに弔問してもいいですよという意味になります。


Q32 自宅の庭に散骨していい?

 私は自分の家が気に入っています。死んだ後、自宅の庭に散骨してほしいのですがかまいませんか?(78歳男性)

 散骨というのは遺骨を細かく砕き散布することをいいます。刑法では遺骨遺棄を禁じているので捨てる目的ではなく、あくまで葬送を目的として、「相当の節度」をもって行われることが求められています。
「相当の節度」というのは、第一には、原型が残らないように細かく砕いて撒くということです。第二は、他の人に迷惑がかかる、嫌がられるような場所は避けるということです。
 ですから海水浴場、養殖場、生活用水として使用する川等は避けるべきでしょう。また、人々が遊ぶ公園等も適当ではないでしょう。

 自分の家の庭なら誰にも迷惑がかからないと思うでしょうが、近所の人の感情を考慮する必要があるでしょう。また、その家が将来にわたって保持されるのならいいでしょうが、将来売られるということも考えられます。そういうことを考えると、散骨は海や山の大自然に行ったほうがいいと思われます。
 また、形式的に細かい話をすると、散骨した場合、上に土をかけると「埋蔵」になりますから、埋蔵するならば墓地でなければなりません。墓地は許可を得た場所でなければならず、自宅を墓地とすることはできません。
 散骨というのは万葉の時代にも行われたようですが、近代では新しい葬法です。誤解を受けない方法で行うのが適当だと思われます。ちなみに自宅の庭への散骨について司法の判断は出ていません。



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