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Q21 お墓を移すには?

田舎の寺にある祖父母の墓を現在の居住地に移したいのですが、手続きと費用を教えてください。(62歳男性)

A 法律的な手続きとしては、(1)いまある田舎のお寺におじいさまとおばあさまの遺骨があることを証明する埋蔵証明書を発行してもらい、(2)田舎のお墓のある市区町村役所に行って改葬許可申請書を提出し、改葬許可証を得ます。(3)新しく移る墓地に改葬許可証を提出します。
埋蔵証明書、改葬許可証は1人分ずつ必要なので、2枚ずつ必要になります。移転先の受入証明書の発行を求められる場合もあります。

 法律的には以上ですが実際にはお寺との交渉が問題になるケースがあります。
 田舎のお寺としては檀家が一つ減ることになるために改葬を歓迎せず、埋蔵証明書をすぐ発行してもらえない場合があります。まずお寺にうかがい、よく事情を説明し、住職に納得してもらいましょう。

 なお、いままでのお墓は使わなくなるわけですからご住職に供養をしていただきます(閉眼供養)。
 このためのお布施はいままでお世話になったことへのお礼と合わせて10〜20万円くらいが相場でしょう。
 また、いままでお墓として使用した場所は、更地にして戻す必要があります。
 この工事は石材店に頼むことになりますが、墓石の撤去費用も含めて1uあたり10万円が目安になります。3uの普通のお墓の場合には30万円が目安になります。石碑を新しい墓地に移す場合には、これに輸送費が加わります。

 新しく墓地を求めるときには、使用料が公営の場合には15〜30万円程度、民営の場合には首都圏では1uあたり60〜80万円が目安になります。
 これに工事費が加わりますが、石碑のデザインと石材によって大きく変わってきます。
 和型の3段のケースでは1uあたり石碑と外柵・基礎工事で150〜200万円が目安になります。芝生の公園墓地で洋型の墓石ならば60〜80万円くらいが目安です。
 信頼できる石材店を選ぶことが大切で、石材店で霊園の紹介をしてくれます。石のことにも納得できる説明をしてくれるお店を選びましょう。
工事にあたって見積書と図面を提出してくれるところが最低条件です。くれぐれもブローカーに任せないことです。

 お寺の墓地にするならば、田舎のお寺と同じ宗派のお寺にしましょう。
新しく檀家になるので、入檀料として10〜20万円を用意しましょう。この分、お寺の墓地が民営より費用が高めになります。
 また、新しいお墓ができたときには仏教では僧侶に供養をしてもらいます(開眼供養)。このお礼として5〜10万円お布施を用意します。
 お墓を使用するには管理料が毎年かかりますので霊園で金額を確認しておきましょう。公営は安価ですが民営の場合1uあたり5〜8千円くらいかかります。
 お墓の引越しは手続きも費用も意外とかさむものです。慎重に計画を立てる必要があります。

Q22 病院付きの葬儀社は?

 私には知り合いの葬儀社がありません。父が入院中ですが、亡くなったときには病院付きの葬儀社がみなやってくれるのでしょうか。(58歳女性)

A できれば事前に葬儀社を数社あたって、信頼できる葬儀社を選んでおくのがいちばんです。こちらの希望に応えてくれて、納得できる説明と見積書を出してくれるかどうかが選ぶ決め手です。事前に葬儀社を選んでおけば、亡くなったときに電話をすればその葬儀社が病院まで来てくれます。

 準備ができなく亡くなったときには、まず病院と契約している葬儀社に自宅までの輸送をお願いします。
 そして落ち着いてご家族で相談して、どんな葬儀にしたいのか、規模は、会場は、予算は、ということを決めて、葬儀社に改めて来てもらい相談します。方針を決めずに葬儀社との話し合いはうまくいきません。後に悔いを残すことにもなります。葬儀社としても家族の希望がはっきりしていないと、どのようなサービスを提供したらいいのか悩みます。

 もし話をして納得できなければ別の葬儀社を呼びます。気をつけたいのは安ければいいわけではないことです。納得できるサービスと予算に合った価格かどうか確かめましょう。

Q23 会葬御礼と香典返し

この度葬儀を行いまして、会葬御礼1500円の品物を、御香典を頂戴した方(預かり分も含む)全員に渡しましたので、金額が3000〜5000円の方にはお香典返しをしない方針にしようと思ってます。この金額が一番多く大変なので。別に問題はないでしょうか?(53歳男性)

A 地方により会葬礼品と香典返しの扱い方は違っています。
 会葬礼品と香典返しが一体化していて、会葬者全てに500円〜2000円相当の品物を渡し、これで香典返しを兼ねてしまう地域もあります。こうした傾向は地域社会の強いところに見られ、香典は相互扶助であり、お返しにあまり気をつかわなくてもよい、という合意ができているようです。

 都市部から始まり、現在主要なのは会葬礼品と香典返しとを区別する方法です。
 会葬礼品はかつて「粗供養」と呼ばれ、会葬者の全てに対して渡されたものです。故人の代わりに施しを行い、その徳を故人に振り向け供養するという意味がありました。
 他人に物を贈るとき「粗品」と書きますが、これはへりくだった言い方ですが、粗供養の「粗」にもへりくだった意味があります。但し、一部の人から「供養に粗はない」と批判も受けています。
 ともあれ、粗供養から発展した会葬礼品は「御会葬いただきありがとうございました」という遺族(葬儀主宰者)からのお礼の表明です。金額的には500円〜1000円程度が多いようです。

 これに対して香典返しは日本の贈答文化である「贈物をいただいたらお礼をする」の影響を受けたもので都市部では明治時代に定着したと言われます。
「二分返し(半額程度お返し)」「三分返し(3分の1程度お返し)」と言われているものです。
 かつては四十九日の満中陰(忌明)をもってお返しがされましたが、近年では「当日返し」「その場返し」と言い、葬儀当日にお返しすることが多くなる傾向にあります。

 香典の平均額が7〜8千円になることから2〜4千円相当の品物をいただいた金額に関係なくお返しします。もっとも、3万円以上いただいた方には別に四十九日をもってまたお礼をする場合もあります。
 質問者のケースでは会葬礼品を相場よりも少々高額でしたので、5千円までの方にはそれで香典返しも兼ねたとしてもよろしいでしょう。5千円の3分の1は1500円ですから、失礼にはあたりません。
 返礼品の世界も時代と共に変化しています。あまり見栄をはって無理なさらず、いただいた香典をありがたく弔いに役立たせることが大切だと思います。

Q24 火葬場の帰り道を変えるのは?

 いつも不思議に思うのですが、火葬場に行った帰り道に道を変えるのはなぜでしょうか。(42歳女性)

A 火葬のために火葬場へ行くときの道と帰りの道を変えるものという習慣は各地で残っています。
 これは昔、土葬だった時代の習慣が変わって残ったものです。
 土葬のとき、お墓に柩を担いで行き、墓に葬った後、帰り道は行きの道と変えるという習慣がありました。
 なぜかというと、死霊が追いかけてこないため、違う道だと、死霊が道に迷い、追いかけられないと考えられたためです。
 死というものを、死霊が取り憑いて発生するものと考えられた古い昔の観念がもたらしたものです。ある意味では死の恐ろしさを認識するものであったのです。いまのように医療が発達した時代ではありませんから、どうにかして死に取り憑かれないようにと昔の人は知恵をしぼったのでしょう。その結果、いまでは笑い話のような俗信が生まれました。

 土葬から火葬の時代に変わり、この俗信は場を墓から火葬場に替えて生き残ったものです。
 もし死霊がいるとして、いまは遺骨を抱いて帰るのですから、行きの道と帰る道とを変えても意味がないように思うのですが。
 この話は俗信ですから、いまの時代にあっては守る必要のないものです。しかし、この話は、死が通常のものではないリアリティをもったもの、遺族の生活を脅かし、精神的に強い悲しみをもたらすもの、という共通した認識が昔の人にあったことを教えてくれます。



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