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◆生前契約とは
 葬儀の生前契約は米国で開始され、欧米で広く行われているもので、「プレニード」と呼ばれます。葬儀について本人が生前に契約を結んでおくことです。米国では葬儀社の98%がこのシステムが扱っています。日本では1993年秋にLiSSシステムが登場したのが最初です。
 生前契約は、 1葬儀の内容を取り決める、 2葬儀の費用の支払い方法を定める、の2段階からなります。

◆生前契約が登場した背景
 米国でこれが普及した主な理由には、
1.米国は日本と異なり個人社会であり、香典という習慣もなく、葬儀費用は全て遺族負担となること、
2.葬儀によって遺族に経済的負担をかけたくないとする人々が増えたこと、
3.葬儀の仕方に自分の意思を生かしたいとする人々が増えたこと、の3つがあげられます。
 
 日本は米国と比較すると共同体社会であると言われます。葬儀においても共同体(地域という地縁、企業という社縁、親族という血縁)の力は強く、運営方法にしても個人の意思よりはとかく共同体の意思が優先されるものでした。また、費用も「香典」という習慣により賄われる部分が多いのが特徴です。
 だが、都市を中心に共同体の衰退が進んでいます。個人意識の強まりもあり、地域社会との結合、企業との結合、親族との結合も弱まってきています。また、核家族化、家族の地域分散、少子化の進展と共に家族の紐帯も変化する傾向にあります。単身者世帯が急激に増加しています。
 こうした社会的変化を背景として、「子供に頼れない」「子供に迷惑をかけたくない」「死後のことにも個人の意思を反映させたい」とする考えをもつ人々が高齢者を中心に増加の傾向があります。
 
 これが日本においても生前契約が登場した原因と考えられます。調査によると約3割の人々が生前契約に関心があるとされ、実際には契約に至るケースはまだまだ少ないものの、今後のシステムとして既にさまざまな生前予約システムが登場しています。
 
◆生前契約で注意すること
 生前契約は「いつとは定まっていない将来に対する契約」ですので注意することがいくつか存在します。
1) 更新についての規定があること
 内容については将来において本人の意思が変わることもありますし、料金についても将来変動する可能性があります。「5年おきに更新する」などの規定が必要です。また、解約の自由が保証される必要があります。
2) できるだけ家族の同意を取りつけること
 本人の意思だけでは実際の施行にあたり、家族とトラブルが生じかねません。できるなら契約にあたり家族の同意が望ましいところです。また、家族と意見が対立し、本人があくまで自らの意思を通すときには公正証書遺言等の手続きで祭祀承継者の指定を家族と別にすることを定める必要が出てきます。
3) 費用の支払いは施行後にすること
 契約時に費用の前払いを受けることは望ましくありません。将来の施行後に支払いを受ける必要があります。企業の将来は未定ですから将来の保証を安易に行うべきではありません。
4) 支払い原資の確認をすること
 契約の対価について、保険、預貯金、不動産売却などがありますが保険または預貯金による目的用途を明らかにした原資の確認が必要です。最も望ましいのは保険の利用です。家族保証を取りつけることも考えられます。
5) 契約を明確にすること
 特に将来に及ぶことである以上、口頭による信頼ではなく、文書による明確な契約が必要です。これは消費者および業者双方にとって必要なことです。もちろん将来保証できないことを内容に盛り込むなど責任のない契約はできません。



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